2014年12月・2015年1月号 事業者相談 景品表示法相談編 「『値引き』や『強調』の表示」

■相談内容①

以前相談した際、同じ商品を提供するのは値引きだと聞いたが、例えば、購入した商品と同じ物をもらえる商品券を提供し、次回の買い物で使用できるというのは値引きと考えていいのか。

■回答①
「同じ高額商品がもらえる」商品券の提供は正常な商慣習の範囲外で、過大景品類の提供にあたる

値引きとなるケースは、例えば、一回の買い物で背広を購入した方に同じ背広をもう1着提供するというように、1回目の買い物で同じカテゴリーの商品を提供するのであれば増量値引きと解釈するという場合や、次回以降の買い物で使用できる割引券や金券を正常な商慣習の範囲内で提供する場合であって、ご相談のように1回目に商品を購入した方に次回の買い物で同じ商品がもらえる商品券を提供するというのは「正常な商慣習の範囲」とは言えず、過大景品類の提供となります。
例えば商品券であっても、たまたま次回の買い物で値引券として使用でき、取扱商品のうち安い商品を購入した時にたまたま無料になるという程度のものであれば、正常な商慣習の範囲内であるとして、値引きとみなしても差し支えないということになりますが、高額の商品を購入して次回同じ高額の商品がもらえる商品券を提供するというのでは正常な商慣習の範囲とは到底考えられないということです。
取引に付随した経済上の利益の提供は原則として景品ですが、次回同じ店舗での買い物で使用できる割引券や実質的に値引券となる商品券といったものは、値引きであって景品とはしないというものです。商品券の提供が、景品となるか値引きとなるかは提供の仕方や、取扱商品の価格帯の状況や表示の仕方によって変わってきますし、また、逆に増量値引きであって、プレゼントでも何でもないのにあまりプレゼントという言葉ばかりを強調し過ぎると今度は有利誤認のおそれも出てくるので、キャッチコピーの表示の仕方も気を付けなくてはなりません。

 

■相談内容②

福袋の販売に当たり、例えば「10万円以上の商品」というように強調したいが、何か問題はあるか。

■回答②
商品価格の相場が下がる在庫処分のような場合は、有利誤認となるおそれも

現在販売中の商品、あるいは二重価格のガイドライン記載の最近相当期間において販売していた価格で換算して、10万円以上であれば問題ありませんが、例えば、数年前まで販売していた商品の在庫処分のような場合は、そもそも商品価格の相場が下がっているので、当時の販売価格で換算するのは有利誤認となるおそれがあります。

 

■相談内容③

従来品に比べ純度を高くして、商品名に「高純度」を付け、「高純度○○○」という商品名に変更することは可能か。

■回答③
純度を上げたことを証明できるデータが必要

従来品に含まれている成分より純度を上げたことを証明できる資料があれば可能です。自社の従来品がなく他社のものと比較する場合も同様に、他社のものより純度が高いことを証明できるデータが必要となります。他社のものより純度が高くなければ、「高純度○○○」というのはおかしいということになり、優良誤認となるおそれがあります。

 

調査役 地主園 彰治

景表法の相談は 03-5651-1139まで(平日10:00~12:00/13:00~17:00)

 

 

 

 

>>JADMA NEWS 掲載情報 目次に戻る場合はこちら

>>JADMAのホームページはこちら